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「愛さずにはいられない」
第一章 愛さなきゃよかった

愛さずにはいられない 11

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つくしは巧御用達のブティックで半ば強引に服をプレゼントされその足でいかにも、というようなフレンチレストランに連れて行かれた。

運ばれてきた料理は見た目も華やかで美味しそうだったがなかなか食欲が沸かず。
いっこうに食事に手をつけないつくしに巧は不思議そうな顔をつくしに向ける。

「つくしさん?どうされました?具合でも悪いんですか?」

___具合って言うか気分は悪いわよ。

つくしは吐き捨てるように心の中で呟いた。

「あの、東城さんはいったい何がしたいんですか?」

「何がって、強いて言うなら付き合いたいです。」

「・・・は?」

「あなたと、付き合いたい。そして、ゆくゆくは結婚したいと思っています。」

____だめだこりゃ。埒があかない。

「いい加減にしてください。
ふざけてるんですか?さっきからあなたの言ってること、ほとんどわかりません。
とても本気で言ってるようには聞こえません。」


「_____本気で言ってるよ。
俺、あんま女と付き合ったことなくて、ってゆーかぶっちゃけ女のこと口説いた経験とかほとんど無くて。
大切なこと伝えよーとすればするほど軽く聞こえちゃうかもしれないけど、本気で言ってる、超本気で。」

真剣な目でつくしを見つめる巧の言葉に一瞬なんと返したらよいか分からなくなる。

「・・・あの、あたしなんかのどこがいいんですか?
あたしといたって何も面白くなんか無いでしょ?つまらなくないですか?」

「全然。」

簡潔、かつ明確な答えだ。
とはいえつくしもここで「はいそうですか。」とはいえない。

「___あの、あたしと司の関係を知ってて___?」

「まあ、俺もそうだけどむしろこの世界では知らない人なんていないだろ。」

さっきからわざとらしい敬語と僕呼びが消えてる。

_____とうとうメッキがはがれてきたわね東城巧。

「だったらなんで?」

「俺が君と初めてあったときのこと、君は覚えてないだろ?
最初の印象は____まあ美人だとは思ったが特に気にかかる存在ではなかったよ。
実際挨拶くらいでスルーだったしな。」

初めても何も司に言われるまで挨拶したことがあったかどうかも確かではなかった。
黙りを決め込んだつくしに巧は続ける。

「二回目にあったときは君と少しだけど会話をしたな。
情けないことに君を見つめるのに夢中で何を話したかは記憶に残ってないんだが___。」

巧はク、と笑い言い募った。

「俺と話をしているはずなのに君の目は俺を見ていなかった。
なんかどっか遠い____世界の果てでも見てるような、あの目。
とってつけたような微笑みに合間に見せる冷めた表情。
そこで君に惚れた俺もおかしいとは思うけどな。
ま、惚れちまったんだからしょうがないだろ。」

「___でもあたしは司が____。」

「君はあいつに脅されてるんじゃないのか?
自分の言うとおりにしないと別れる____とか言われて。」

「___脅し?なんで___いいえ、そんなんじゃない。」

「君が自分の身体を売ってるのはあいつにそう指示されたからだ、違うか?」

「・・・いいえ。あたしは______あたしがそうしたいから、やってるだけよ。」

つくしはどこかショックを受けたような顔をし、俯き加減に答えた。

「本心は違うさ。
あの男に捨てられたくないんだよな?
つーか、そもそも君と道明寺は付き合ってるのか?俺にはそう見えない。
君という都合のいい存在をあいつが利用してるようにしか見えないよ。」

反論なんてとても出来ない。
巧の言ってることは本当のことだから。
それでもやっぱり何もしらないこの人にここまで言われる義理があるだろうか、と悔しさに唇をかみしめた。

「___なあ?道明寺にはそれほどの価値があんのか?
自分を貶めてでも得るだけの価値がある男か?」

「___そうよ。」

つくしが答えた。
そのあまりの力強い声と鈴とした表情。
反論を忘れ見惚れそうになる巧は心の中で苦笑する。

「_____参ったね。そこまで思い詰められちゃあ男も本望だろうよ。」

「東城さんのご推察通りあたしと司は恋人でも何でもないの。
まあ、男女中があることについては否定しないけどね。」

「それは_____健全じゃないな。」

「枕営業してる女に健全を求められてもね。」

「ハハっ、それもそうだな。」

「それでも___それでもあたしは司からは絶対に離れない。
少なくとも司にとってあたしが『都合のいい女』であるまでは。」

「少しでも可能性があるならしがみついてく、か。
君がやっているのはガキが欲しい玩具を手に入れたいと泣き喚くそれに酷似してるな。」

「・・・どういう意味?」

「そのままの意味さ。それでも、愛情だけは本物だ。」

「_____さすがに軽蔑したでしょ?あたしだってずっと自分を軽蔑してきた。
屈折してるってわかってるからね。
自分でもこんなに諦めの悪い女、いないと思うわ。時々自分がすっごく惨めになったりする。
でも、なにもかも失っても手放したくないものってあるのよ。」

「____君の道明寺に対する愛情の深さだけは分かった。
ところで俺と付き合わない?」

「・・・・・文脈おかしいし、これだけ言ってまだふられてるってわかんないの?」

「もしかして俺って君以上に諦め悪いのかもな。」

つくしは少し目を見開き、フフっと笑った。
ひさしぶりに心の底から笑わせてくれた。

「お、初めて笑ったな。
そっちの方がかわいーぜ。ま、一旦交際の件は諦めるかな。
でも未来に絶対なんて無いからな。いつかは俺のことが好きって言わせてみせる。」

「フフ、たったいまふられたばっかなのにタフね。」

「内心相当傷ついたけどな。
____で、なんだ。あっちの件はどうなんだよ?」

「どっちの件?」

「引き抜きの話。」

「ああ、あれね。
そういってくれるのは光栄です。
丁重にお断りいたします。」

「____そっちもなかなか文脈おかしいぜ。
たく、君は本当骨の髄まで____

「「道明寺に忠実。」」

二人の声が重なった。


それから二人は顔を見合わせ笑いだした。


こんなに楽しい休日はつくしにとって久しぶりだった。


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