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「ガラスの林檎たち」
第一章 誰にも言えない

ガラスの林檎たち 18

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深夜から早朝になりかける時間であったが、それでも使用人はまばらに存在し、つくしの帰りを待ちわびていた様子であった。
何人かが帰宅したつくしに気づき、ペコリと一礼をし、あまつさえ世話を焼こうとしていたので、面倒くさそうに手で制し、貴之がいるであろう書斎へと向かう。
普段の貴之の帰宅時間は、この時間よりもすこし早いかくらいなのでおそらくはまだ起きているはずだ。
少なくとも日付を超えるまでに帰宅する貴之の姿なんぞ、つくしは見たことがなかった。

書斎の扉は少し空いており、中からは灯りが漏れている。
やはりつくしの予想通り、貴之は帰宅したばかりのようだった。
そっと覗くと、何やらパソコンに向かって顔を顰めている貴之が見えた。
何故だかいつもと変わらない貴之の姿に安堵する。
一瞬だけ過去の自分の影とその昏さに引きずり込まれそうになっていた自分にとって、現在の庇護者の象徴でもある貴之が普段通りであることに__最もそれは当然の事なのだが__ほっとしていた。
ようやく楽に呼吸が出来るようになった感覚すら覚える。
先ほどの己の昏さの深淵などまるでなかったことのようで。
夢の中の出来事だったようで。

___ああ・・・やはりこの人は麻薬のようだ・・・

触れていると安心する。
触れられていると護られているような気がする。
自分を傷つける全てのことから、救ってくれているような気がする。
時に激しい情交は、つくしを困憊させることもあったが、それすらも自分の庇護の証であり、そうされている間だけでも彼に必要とされている気がして、、、それがたまらなく彼女の心を満たしてくれた。
貴之がそうじゃなくとも、また、彼女が貴之に向けるほどには彼女を愛していなかったとしても、彼女は、つくしは、貴之を愛していた。
自分には永遠に手に入らないものだと分かっていても、分かっているからこそかもしれないが、彼女はたまらなく彼を欲していた。
たとえ自分が身代わりだと知っていたとしても。
自分を通して自分じゃない女性の影を追い求めているのだとしても。
彼女は彼を欲せずにはいられなかった。
初めて彼に触れられた日から、どうしようもないくらいに彼を欲し、愛し、求めて、彼の心に巣くい続ける女性に耐えず嫉妬の念を抱いていた。
貴之に触れるまでは決して知らなかった自分の中の、最も醜い感情を。

「、、、おとう、さま、、、。」

「__雫か。
どうした?さっきからそんなところへ突っ立って。
明日は早いだろう。もう寝なさい。」

貴之も先ほどから覗いていたらしいつくしには気付いていたのか一瞥をくれると特に気のない返事を彼女に返す。

「うん・・・。そうしたいんだけど、今日はちょっと寝れそうにもなくて。
ごめんなさい、こんな時間に。」

あまり自分を歓迎している様子のない貴之に少し萎縮したのか、頭を下げ、自室へ戻ろうと踵を返す。

「、、、雫、ちょっとこっちへ来なさい。
そこに座って。」

「え・・・?」

「いや・・・寝れないなら、俺の説教を一言二言聞かせる時間があってもいいと思ってね」

「・・・はい。」

若干眉を潜め、訝しげに指示されたソファーに腰掛ける。
手早く用意されたホットミルクに、手を伸ばすと、角砂糖を二個ほど入れて口を付ける。
くるくるとスプーンで中を掻き回して、溶けていく角砂糖を見ていると、どことなく既視感を覚えるから不思議だ。

「ああ、俺はいらないよ、眠くなるし甘すぎる。」

つくしが貴之に用意されたホットミルクにも角砂糖を入れようとするも手で制されてしまう。
連日のパーティー続きで、疲労がかなり蓄積されているらしい貴之の眼の下にはくまがあったし、顔色も相当良くなかったので、つくしは胸の奥に小さな破片が突き刺さるような痛みを覚えた。
貴之が辛いと自分も辛くなってしまう。
貴之が悲しいと自分が代わりに泣いてあげたくなる。
彼を知るまでこんな感情があるなんて思いもしなかった。
彼を知るまで、自分以上に大切な人が出来るなんて思っても見なかった。
皮肉なことに、彼を愛する自分がいることに気付いても、今までしてきた自分の行いを振り返り、恥じ入って反省するなどと言うことはなかったが、それでももっと早くに誰かに対してそんな感情を抱いていたら、今ある自分よりもう少しマシな人間になっていたかもしれないとは時々思う。
最もその時々では最良の選択をしてきたつもりだったし、きれい事だけではとてもではないが世の中を渡っていけないこともとうに知っていたのだから、後悔しないのも当然のことだ。
生きていくこと。
ただ生きていくこと、たったそれだけのことが、自分にとっては途方もなく大変で、明日がどうなるかもわからない自分を知っているからこそ、その時の自分を反省して悔い改めるなんぞ、当時の自分への侮辱、そのものだから。

__後悔なんて、絶対にしない。、、、死んでもしない。そう決めたもの。後悔するくらいなら死んだ方がいくらかマシ。そうでしょう?

心の中で自分を叱咤しながら、過去の幻影に脅かされる自分を誤魔化すように、隣に座り込んだ貴之の腕を頼りなげに掴んでそのまま身体を寄せた。

「雫・・・?」

「・・・ごめんなさい。・・・ちょっとだけ、このままいさせてくれる?」

「・・・ああ、お前が望むなら、いつまででも」

「・・・お父様、、、私って・・・・当然前の私のことですけど、、、前の私には、好きな人とか、愛していた人がいたと思いますか?ずっと、心の中に存在し続けた人が、いたと思う?」

「__それは___・・・どうして、そう思ったんだ?
お前がそんな話をするなんて、初めてだな。違うか?」

「・・・そう、かもしれないわ。
でもね、お父様には隠しておいても仕方がないことだと思って」

「__うん?」

「あのね、、、道明寺司・・さん。今日・・・あの人に会ったわ。
それで、私、少し思うところがあって。
いろいろ考えているうちに混乱してしまったのだけど・・・。
だから・・・お父様にだけは、伝えようと思って。」


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さとぴょん様(*^_^*)

コメントありがとうございます^^

そうなんですよね、つくしは(城宮雫は)ありとあらゆるところで屈折しているのですが、唯一信頼できる大人が貴之だけであるといったところでしょうか、、笑
依存とは少し違う、つくしは恋心なのか憧れなのか、とにかく貴之に対して恋愛感情を抱いています。
原作初期に類が静に抱いていた感情そのもの、ですね笑
 
実は貴之と司の間にも因縁というか、それに近い物があり、、
これ以上言ってしまったらネタバレになるので口を噤みますw
今日中に更新できるかわかりませんが、最善を尽くして頑張ります。
よろしくです♪♪
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