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中編

やさしくするよりキスをして 2

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やっとのことで目的の病院へと辿り着くと、クラークに促されるがままに緊急外科外来へと案内される。
もっと騒然としていると想像していた院内はとっくに沈静化しているようであり、事故から既に何時間経ってしまったのだろうと考える。
実際の事故から滋に伝達されるまではそれなりのタイムラグがあったはずだ。
すぐにニュースになっていないか、ネットで調べたが、情報は交錯しており正確な報道がなかなか入ってこなかった。
担当の医師に告げられた病室へ誘導されると、ふと見知った顔を発見する。

「三沢さん。」

三沢もつくしが早々に駆けつけるのは想定内だったのか、ペコリと一礼するとすぐさま病室のドアを開ける。
つくしの方も同じく一礼すると恐る恐る、ようやく中へと足を踏み入れた。

「つくしちゃん、、、」

先客は涙を湛えながらつくしを迎え入れる。
ボロ泣きした様子も見受けられないことにほんの少しホッとした。
状態は恐らく安定しているのだ。

「椿お姉さん、、、。あの、、、道___司は__」

「今は、、、安定しているわ。
やっぱり前の座席だったせいで衝撃が強かったみたいで。
頭から血が__血がね____」

ふとベッドで眠る司に視線を移す。
痛々しくもその頭は包帯でぐるぐる巻きにされており、右上にはガーゼが貼られていた。
不意に、ツキンと胸の奥に痛みが走る。
そしてその寝顔に、、、一抹の申し訳なさも込み上げてくる。
ああ、自分はこの寝顔を、永遠に失うところだったのだ。
そう思うと、ぎゅうっと胸が締め付けられた。
自分が彼に対していかに素直じゃないか、時々彼にしてみればどれだけ嫌な女に映るのか、否応なしに考えさせられる。
もしこのまま彼が帰らぬ人となってしまってたら、自分は昨夜の自分の態度を一生許せなかっただろう。
彼に巻かれた包帯に、ガーゼに、どうしても沸き上がる自責の念を抑えることができない。

「あの、、、ごめんなさいね、つくしちゃん。
私、動揺しちゃってて、本来ならあなたに一番に知らせなければならないのに、、、。
実はまだ誰にも連絡してなくて、、、。
そう言えば、つくしちゃんはどうやって?」

「あ、滋さんに。大河原滋さんから連絡をもらって、、、。
NYで道明寺とのプロジェクト会議があったとかで__。
あの、道明寺のお母さんは、もう、、、?」

「え、ええ。
司の状態が持ち直した頃に、NYにとんぼ返りよ。
後のことはあなたに一任しますって。
まったく、、、あの人は相変わらずだわ。」

最後の一行を椿は苦々しく付け足した。
確かに楓という人物はそういうことだ。
それでも、彼女に母親としての愛情そのものがないわけではなく、むしろ司に対する不器用な愛情を持っていることも、つくしは知っていた。
くすんで汚れたうさぎのぬいぐるみに託された想いも、また。

「類たちにも連絡を入れておかなきゃね___。」

もうそろそろテレビでも報道が始まってもいい頃だけど、一応ね。と付け足し、一旦椿は病室を後にする。
備え付けられているソファーに腰掛けたつくしは、その存在を確かめるかのように、優しく司に触れた。
ふんわりとした、ねじねじした、不思議な感触の髪に手を当てて。
飽くことなく彼の頭を撫でさする。

「道明寺、ごめんね。」
「いつも素直になれなくて、ごめん。」
「もうあたしねえ、心臓止まるかと思っちゃった」
「一瞬いつも頑固なあたしへの罰かと思ったもん」
「本当はね、あんたに抱きしめられたり、キ、キスされるのだって、嫌いじゃないんだよ?
けど、人前でそう言うことされたら、、、どうしていいか分からなくなる。」

ここでつくしは言葉を切り、司をじっと見つめる。
彼の表情に変化がないことを確認すると、話を続けた。

「だから、いつもかわいくない態度ばっかりとっちゃって。
本当は違うんだよ。
やっぱり彼氏っていうか、好きな人の前ではいつだって可愛くありたいんだけど、パニクっちゃって、あんたに関しては、、、いつもドキマギしてるの。」
「あたしだって、あんたを抱きしめたいし、キスしたいし、結構、、、ヤキモチ妬いちゃうところだってあるもん。」
「でもそれを中々口に出来なくて、、、。こんな可愛くない性格でごめん。」
「あたしがあんたのことこんなに好きなんてびっくりでしょ!」
「あたしだって、あんたが思ってる以上にあんたが好きなんだからね。それをまあ、、あんまり言えないだけで」

頑固だからさ、とつくしは舌を出しておどけた。
心なしか、寝てるはずの司がちょっと笑ったような気がした。

「だから、早く目を覚ましてね。」
「目が覚めたら、たくさん優しくしてあげる。
これ以上ないってくらい目一杯甘えちゃうんだから、、、早く起きてよ!」

ね、とポンポンと司の腕を叩いた。

「あ、でも、またあたしのことだけ忘れちゃったりしたら、ただじゃおかないからね!
まあ、、、何回でも思い出させてあげるけど。」
「次は何がいい?
野球ボールで思い出さなかったらね-、サッカーボールか、バスケットボールとか?」

くすくすと、自分のいっていることが可笑しくて、笑ってしまう。
自分が司に対してこれだけ素直に話すことがこんなに気持ちのいいものだったなんて。
今までの自分を戒めてやりたいくらいだ。
まあでも、、、とも思う。
多分彼が目を覚ませば、また自分はいつも通りの、彼に対してはかわいげのない女に戻ってしまうだろう。
そうぼんやりとは思っていても、今はただ、、、この幸福を噛みしめていたい。
あと少しだけでいいから、彼の傍で、彼に素直な自分でいたい、、、そう思った。

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