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中編

やさしくするよりキスをして 6

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「お取り込み中なら一旦失礼させて頂きますよ、先輩?」

誰もが羨む美貌に悩ましげな笑みを貼り付け、桜子が提案する。
本日二度目の『お取り込み中』に、流石につくしの顔は赤面を通り越して茹で蛸だった。

「だ、だから!!!あ、あんたといい類といい、なんでそういう解釈になんのよ!おとりこんでなんかないから!!!////
全然失礼しなくて大丈夫だから!!!」

「っていうか、つくし~、いい加減降りてあげたら?」

どこか楽しそうな、うきうきした声は滋だ。

「え、、、て、、、えっっっっっっ!~~~~やだちょっと、、、!///」

司の肩をバンバン叩いていたつくしは夢中になる余り、いつの間にか彼に跨って馬乗りになっている自分を見落としていた。
慌てて司から離れるが、先ほどの前例を踏まえてベッドから転げ落ちないよう、慎重に降りる。

「、、、桜子、滋さん。い、いまのはね、その、、、あの、、、、つまり~~~」

「牧野、言い訳すればするほどドツボにはまっていくんだから、やめたら?」

顔を真っ赤にさせたしどろもどろな彼女に、遂に司も口を挟む。

「桜子に滋まで来てくれたんだ、ありがとう。」

振り振り愛想良く二人に向かって手を振る司に、二人が唖然と立ち尽くしたのは言うまでもない。

「二人とも忙しいのにごめんね?座って座って」

司はニコッと全開の笑みだ。
世の女性なら誰でも虜になりそうな笑顔だったが、この病室の3/3名は悪寒が走るだけのものでもあり。
先ほどの司の言動に呆気にとられていた二人がいよいよハッと正気に戻った。

「つ、司、、、」「道明寺さん、、、?」

やっとのことで開いた口を塞いだ二人が顔をつきあわせて何やらヒソヒソと耳打ちし合う。
何を話しているか手に取るように分かるつくしは、はあ、と溜息を吐いて、視線を逸らす。
ニュータイプの司を見られて、何故か気恥ずかしさというかいたたまれなさというか、そんな感情が一緒くたに込み上げてきた。

「・・・・・二人とも、、、、あの、、そんなに___」

「あ、ねえ桜子、その花珍しいね。すごく綺麗だ。」

つくしの言葉を遮り、司が桜子に話しかけた。
とにかくフレンドリーで、人懐こそうな笑みを浮かべた男にやや面食らってはいたが、気を取り直して返事をする。

「あ、、、そうなんです。オレンジ色の薔薇なんて、珍しいでしょ?つい最近品種改良に成功したとかで。
こんなに鮮やかなオレンジの薔薇なんて、なかなかないですよね」

先ほどの衝撃により、一瞬忘れかけていた花束を差し出した桜子が笑みを浮かべた。

「うん、すごく綺麗。
まるで桜子みたいだね。」

ヒョオオオオオオオオオっ

悪気はなかっただろう、素直にストレートに自分の感情を表現した司がそう発した刹那、病室の室温は体感では氷点下に達していた。
さすがの桜子も、どうあしらえばいいのか迷いあぐね、口の端を引きつらせるだけに終わっている。
おそるおそるつくしの顔を盗み見ると、彼女は口を真一文字にギュッと硬く結んで、驚いたような、困惑したような、それでいて今にも泣いてしまいそうな、、、そんな顔をしていた。
ハッキリ言って「牧野先輩ラブ!(ツンツンツンデレ)」な桜子には少し胸に込み上げるものもあって。
途端桜子にも、心臓の拍動が急に早まった気さえした。
道明寺さんに嫉妬してる先輩なんて激レアですねっ
とかなんとか軽口をたたける勇気は今の桜子にはない。

「コホン、、、えっと、、、、私、ですか?、、牧野先輩は、、、あ、いえ、いえ、そんなこと、、、は、ないと思います。多分、、、。」

「そんなことあるって、気付いてないんだ?桜子は綺麗だよ。」

「そ、そんなこと、、、いえ、絶対にないです。絶対です」

どもる自分にスッと目を細めたつくしを目にした桜子が慌てて付け加えた。
つくし自身まだ気付いてない、普段は司からの強すぎる愛情と嫉妬のせいで自分のそれがいかに大きいかを自覚していない、だがしかしずっと存在し続けていただろう嫉妬の感情はつくしを渦巻き迷走させていく。
やだ、、、、なんだろ、もやもやする、嫌な感じ
そうは思っていても、自分の中に生まれた醜い感情が突然消え去ることもなく。
ドロドロした感情、折角お見舞いに来てくれた桜子に嫌みの一つでも言いたい自分が存在していることに驚き、、、自身を軽蔑した。
恥ずかしい事だ。
ちょっと、社交辞令に女性をほめただけで、こんなに嫌な感情が自分に降りかかってくるなんて。
どんなゴシップ記事にも、まことしやかに囁かれるたちの悪い噂にも、殆ど耳を貸すことはなく___そりゃあ多少の心の揺れはあったとしても___目立った嫉妬の感情もなくやり過ごしていた自分にとってこれは驚異だった。
ただの挨拶。ただの社交辞令だ。
そうは思っていても、なかなかわき出た感情を制御することは出来ない。

「、、、桜子」

「はい、牧野先輩」

「お花貸して、花瓶に生けてくる、から、、、」

「そんなの私が、、、」

「ううん、行かせて」

「すみません、先輩」

言うが早いかベッドの枕元の花瓶を手に取り、桜子から花束をひったくって病室を後にする。
桜子の『すみません』に二通りの意味が入ってることがわかってしまうのが憎らしい。
花を飾ってくるなんて言い訳で。
病室から出るための口実で。
そんなのはバレバレだとわかっていても、醜く眉根を寄せる自分の顔を決して司に見られたくなかったのだ。
自分の中の、最低な感情を、司にだけは知られたくなかった。


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shouko様(*^_^*)

コメントありがとうございます^^!

そうなんですよ~誰に対しても紳士すぎるのでついつくしの不興を買っちゃう坊ちゃんでした♪
ラブコメなので山場という山場はないのですが、このあとにちょっと不穏な空気が漂うシーンもありまして、それも紳士で無神経な司だからこそのシーンです、笑
つくしのヤキモチが目立つ回なのかな~とも思います。
つくしの乙女心フル活用し笑 更新頑張ります。
ありがとうございました♪

さとぴょん様(*^_^*)

コメントありがとうございます。(*^_^*)
ほんとに恐るべし、ですよね笑
珍しく桜子がたじたじ 笑
滋さんはフリーズ 笑
つくしファイティン!って感じですが、今日の更新では少し素直になれたかな~って感じですかね。笑
早く山場を書いてしまいたい今日この頃です笑
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