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中編

やさしくするよりキスをして 10

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「きゃあっ!道明寺様が私のチョコレートを受け取って下さったわ!」

___イラっ

「道明寺様~~~♡♡♡わたくしのもどうぞ♡♡♡」

___イライライラっ

「いいえ!私のガトウショコラの方が美味しいですわ!」

___イライライライラ~~~っっ

「道明寺様は苦めなものがお好きですよね♪♪」

__ブチブチブチっ


きゃあきゃあきゃいきゃい、女子の黄色い悲鳴は留まることを知らない。
今日は2月14日、聖バレンタインデー。
女の子にとっては誰しも色めき立つ日であり、誰もが浮かれてカーニバルなスペシャルデイなのかもしれないが、学園内の食堂で1人、さも不機嫌そうなオーラを放ちながら、うどんをすする彼女にとってはもはや何の意味もなさない日となっていた。
道明寺様、道明寺様と呼び止められる度に愛想よくチョコレートを受け取る司に、さすがのつくしも堪忍袋の緒が切れかかる。

___ムカツクムカツクムカツクっ!黙っていればいい気になりやがってあの尻軽男~~~!いい気になるなよ~~~!うにゅううううう!!!

司の女子からのチョコレート攻撃を背に、つくしの機嫌は更に激しさを増して悪くなっていく。
それでも、面と向かって本人に他の女からチョコを受け取るななどということは言えるはずもなかった。
なぜならそもそも、、、女子からチョコレートをもらってもよいと、しぶしぶながらも許可を下したのはつくしだったのだから。
そりゃあ、最初は司の方も彼女がいるからそれは受け取れないとすまなそうに謝って、断っていたが、司にチョコレートだけを押しつけて足早に去っていく輩もつくしは目撃していたし、既に朝の登校時には司のロッカーにはみださんばかりのチョコレートがぎゅうぎゅうに押し詰められていたのも、つくしは知っていた。
返そうにも、送り主が誰なのかもわからなければ、強引に手渡され逃げられるばかりだったので、溜息混じりにつくしに謝る司に、彼女はそれはそれは寛大な心で、チョコを受け取ることを多目に見たのだ。
だがしかし、先ほどから背後で繰り広げられる光景にはつくしの方もとても穏やかな心のままではいられなかった。
仕方なしに他の子から受け取っているだけだとしても、、、やはりむかつくものはむかつく。
自分で許可を出したのだとしても、苛立つものは苛立つ。

___む!か!つ!く!大体!適度に愛想良く振る舞ってるからみんなつけ上がんのよ!気付きなさいよ馬鹿男!!!

イライライライラ、早く食べ終わってこんなところをさっさと後にしようと、ますます肩を怒らせたつくしに、「牧野~」と呑気な声が真っ正面から響いた。
顔を上げると既に自分の対面に座って、貰ったありったけのチョコレートをよいしょとテーブルの上に広げる我が彼氏(バカ)の姿だった。

「なによ、、、」

自分の今の機嫌をそのままぶつけ、ちょっと睨んで司を見やるが彼の方は苦笑いで誤魔化す。

「なんでさっきからそんな怖い顔してんだよ~。ヤキモチは、まあ、嬉しいんだけど、そのブスくれた顔はやめよ?いや、牧野はどんな顔でも可愛いんだけど、やっぱり機嫌良いときの顔の方が可愛いからさ」

ムカッ

誰のせいでこんな可愛くない顔になってると思ってるんだ!誰だって彼氏の前では可愛く機嫌良くいたいっつーの!
と声を大にして叫び出したかったが、それすら自分の敗北を肯定してしまう気がして口を噤んだ。
無視を貫くつくしに、更に司は続ける。

「あーーー、ていうかさ、牧野は、、、ないの?」

「なにが」

「だから、チョコレート。」

「ないよ、、、、そんなの。」


「、、、え?、、、、いや、昨日は作ってきてくれるって___」

「、、、気が変わったの!こんなにいっぱいチョコもらえたんだから、あたしのが一個くらいなくったって変わらないんじゃない?」

言うが早いか、食べ終わったうどんをトレイごと返却口に運ぼうと立ち上がる。

「、、、ちょ、ちょっとまって牧野」

まさか本当に自分のチョコレートが用意されていないとは思いもよらなかった司が慌てて席から立ち上がり、つくしの腕をやや乱暴に掴んだ。

「、、、何?あたし、もうすぐ次の講義があるの。手、離してくれない?」

「、、、ごめん、牧野。お前に言われたからって、他の女からチョコレートを貰ってた俺が馬鹿で無神経だったよ。
そりゃあ誰だってやだよな、、、悪かった。」

この司の言葉にカッと頬が赤くなる。
彼は、彼は、司は。
自分のありったけのプライドを更に踏みにじる気なのだ。
おまけに彼は、自分が他のその他大勢の女子に対して嫉妬していると思っている。
それは本当のことだったが、こうして自分の馬鹿な嫉妬心について謝罪されるのはなんというか、、、いたく自尊心が傷ついた。

「やめてよ!ヤキモチなんて妬いてないって言ってるでしょ!手離しててば!」

その声の調子と赤くなっていく頬が、嫉妬心を肯定していた。
それが自分でも分かるつくしは、バッと司から手を振り払い、さっさと返却口まで足を運ぶ。

「だったら、なんでそんなに怒ってるの?」

「別に、、、怒ってないから」

「じゃあ、チョコレート頂戴」

「、、、作ってないし、持ってきてもないって言ってるでしょ!
そんなに食べたいんなら、随分たくさん他の子から貰ってるんだから、食べればいいじゃん。
別にあたしはなんとも思わないから」

「なんだってそんなに意地悪ばっか言うんだよ、、、。
牧野お前ちょっとおかしい___って、おい、お前泣いて___」

ここで言葉を切った司はぎょっとしてつくしを見やった。
つくしの涙でやや光っている瞳を見つけてしまったのだ。
今にも溢れ出しそうな涙をと出来るだけ司に見えないように視線を逸らしながら、懸命に堪えているつくしの姿を。
ギュッと唇を噛んで、必死に涙を止めようとしている様子が見て取れるから、余計に心が痛んだ。

「わ、悪かった。悪かったよ、ごめん。、、、、そんなに嫌だったなんて、気付かなかったんだよ。謝る、謝るから、泣くなよ。
お前が嫌なら、今からこれ全部返しに行くから___」

「もう、いい」

「まき__」

「ちょっと放っておいて、今は。」






最悪。
最悪だ。
あんなところで癇癪起こして、挙げ句の果てに司の前で泣いてみせるなんて。
自分が泣けば彼がオタオタして困り切るのはわかっていたのに。
彼が謝ることなど何も無いではないか。
仕方がないからチョコレートくらい受け取ってあげたら?だとかなんとか、渋々ながらもそう言ったのは自分なのだから。
みっともなく自分が決めたことに嫉妬して、彼を困らせた。
あんな顔、させたかったわけじゃないのに。
自分がへそを曲げて、拗ねて、彼を困らせて、、、その上、彼に謝罪までさせたことがとても耐えきれなくて、彼を直視できなかった。
はあ、と溜息を吐いて、鞄の中から、自分の癇癪のせいで無駄になってしまったチョコレートを取り出す。
数日前に、進にバレンタインデーはなんだかんだとそそのかされ、この日にチョコレートを渡してデートなぞをすれば、恋人としての関係は自然に発展していくのではないか、、、今考えればその考えがあまりにも他愛なく、幼稚だったことが分かる。
付き合い立ての頃はバレンタインどころではなかったし、去年もなんやかんやと司に言われるまで、その日の存在を忘れていたくらいで。
どんなチョコレートにすれば甘いものが苦手な彼でも食べれるだろうかとか、ラッピングはどうしようかとか、バレンタインくらいは可愛く彼にプレゼントをしてあげようか、、、とか。
色々考えて、どうしたらもっと大人な恋人っぽく進展を広げられるかを考えていた自分が幼くバカだっただけだ。
彼があんなにもてるのも、バレンタインになればどういう現象が起きるかも、想定内だったはずなのに。
可愛らしい包装紙をバリバリ乱暴に破り、中身を取り出す。
迷いに迷って、出来るだけ甘くなく作ったチョコレートブラウニー。
今度は魚の味なんてしないんだからね、と笑顔で渡そうと思っていたのに、、、と自嘲的な笑みが込み上げる。
パクリと一口食べると、苦さを意識して作ったとはいえ、やはりチョコレートの甘みは完全には抑え切れず、口内が一瞬あまくなる。

「、、、おいしい、、、。」

バレンタインデーなのに、彼氏に嘘をついてまでチョコレートを渡さずに1人で食べる自分が何とも言えず惨めで、再び込み上げる涙を抑えた。



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~ Comment ~

もうサイコーよ!!

つくしちゃんの嫉妬良いですね。すごい新鮮です。新・司とかサイコー!!
実は、他サイトでもよくみられる司の嫉妬の流れパターンに飽きてました(笑)
司が嫉妬してくれることに慣れてしまっているつくしちゃんが、
悪気がなくても類は体の一部とかいう傍から見てたら恋人と間違うようなイチャぶりの特別な関係に終止符を打つような話もあれば新鮮なんですけどね。
そういった話もほとんどどのサイトでも少ない。
つかつくルートでもあまりない(笑)
毎回、司がやきもき→喧嘩→つくし開き直る→司おれるって流れが多く、
つくしちゃんが司との関係で危機感がないって話が多いですよね。
放置サイトも含め、似たようなパターンが多いとこが残念に感じてました。
たとえ司と別れても類がいるから大丈夫とか余裕かましてるように悪く考えてしまう・・・(桜子&滋&優紀目線)。
違ったパターンも新鮮さがあって楽しめるんですけどね♪
ですので今回のような新・司につくしちゃんが焼きもち全開って流れがすごい面白いです!!
焼きもちあまり見せないから新鮮味あって良い!!

更新頑張って下さいですー。

椿お姉さん☆様(*^_^*)

光栄なコメントとても嬉しいです♪
そして初コメ、ありがとうございます!^^

えへへ、そうですね、これは本当にあくまでも「つくしちゃん嫉妬物語」なので、、、
嫉妬して少しそくばっきーなつくしちゃんは本当に可愛らしい。
これぞ、正真正銘バカップルなのにそれに気付いていないあたりがつくしちゃんぽいというか、、w

そうなんですよね。
意外とつくしは司に対しては我が儘というか、受け身体質ゆえに、思ってる思いもなかなか司に伝わらず(結局最後まで伝わらない場合も多いですが笑)彼の方はわりと、つくしちゃん限定で折れてくれて、結局は許しちゃう場合がおおいですもんねえ。笑
ヤキモチぜんかいなつくしちゃんは書いていて本当にかわいいのでまた書こうと!そしてこのお話はあと数羽で完結するのですが、シリーズかしようか悩み中。
のってるときは本当にバアアアアっと書けるタイプなので、私がこのお話にときめいている間は書き続けるのかなあとも思ったり、笑

確かに(笑)つくしちゃんはまず危機感ないですね。笑
シリアスな長編ならともかくテンプレ通りのつかつくであるならいつもハラハラさせられるのは司の方。
つくしちゃん、もてるのにも関わらず気付かないですからね。
司も気苦労耐えない。そりゃあ嫉妬もするでしょうw

これからも無自覚天然たまに束縛嫉妬!?なつくしちゃんを書いていこうと思うので、よろしくお願いします♪♪

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

shouko様(*^_^*)

コメントありがとうございます!^^
そうなんですよねえ、結局はこのお話も、つくしちゃんから見ると結構切ない。
多分F3は大爆笑でしょうけれども笑
司にはまだまだがんばってもらいましょう!笑
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