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「ガラスの林檎たち」
第一章 誰にも言えない

ガラスの林檎たち 26

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本能、なのだ。
これは本能なのだと、もやがかかっていく頭の中で繰り返していた。
求められたから自分も求めるだけ。
キスをされたら、舌を入れたくなる。
舌を入れれば、下着に手を入れたくなる。
下肢の音が気持ちよく鳴れば鳴るほどに自身は高ぶっていくのは自然な現象だ。
他の男のつけた無数のキスマークを目にすれば、どうしようもない焦燥感に襲われるのも、すべて本能なのだ。
自分たちはただの男と女で、ただの動物だ。
それでも___とぼんやりした頭の中で司は考える。
目の前の女にこれほど溺れるのも、これほど欲情するのも、『牧野』を抱いている錯覚をしているからに過ぎないのだと。
いくら男の性だと言い訳してみても誤魔化しがきかない。
彼女を包んでいる制服こそ違えど、まるで高校生の頃のつくしを抱いている。
その考えにすら欲情した。
抱いて、抱いて、抱いて。
今まで一体どれだけの男と寝てきたのかと思うほどに、性に貪欲で、何度達してもまだ自分を求めてくる女を、手酷く扱った。
感情のない人形を抱いているかのように、滅茶苦茶に抱いた。
身体中のキスマークに、彼女が痛くて声を上げるほど、一つ一つに執拗にマークを付け直した。
どれだけ手荒く扱っても、誘惑するような、強いるような瞳で誘惑してくる女をもっともっとと、自分から嫌われにいくかのように、乱暴にした。
結局、、、先に寝落ちたのはどっちの方だったのか。
ようやく抱き潰れた女と、それによりかかるようにして眠りに落ちた自分は殆ど同時だったのかも知れない。






「あれ、、、、、」

天井がいつもと違う、と気がついたのは、目を開けてから何分経ってからだろう。
覚醒し切れていない頭を、軽く横に振ると、微かに頭痛を覚える。

「いま、、、、なんじ、、、だろ」

時間を見ようと傍にあるであろう携帯に手を伸ばすと、途端にぎゅっと掴まれ、そのまま唇を塞がれた。
あまつさえ舌まで入れられ、思うように呼吸ができない。

「んん~~~~っ、ん~~~~~~ん~ん~ん~!!」

もうダメだと意識が飛びそうになるすんでのところで解放される。
じんわりと涙すら浮かべる自分がなんだか情けなくて、きっと相手を睨め付けた。

「ちょっと、、、、いきなりやめてよ。」

「、、、昨日はされるがままだったじゃねえか」

「昨日は昨日でしょ。、、、ねえ、起きなくていいの?シャワー浴びてきたら」

「ああ、、、、もう少ししたらな。
それより、、、悪かったな昨日は」

「、、、ん?」

「乱暴にしちまったから」

「ああ、、、、いいの。あんな抱き方されるの、珍しくないし。初めてでもないから、気にしないで」

「、、、そうかよ」

含みのある雫の言い方に、何故か傷ついてる自分がいて驚いた。
目の前の女はつくしじゃないつくしじゃない、と言い聞かせながら、何故こうもたやすく自尊心が傷つけられるのか。

「けど、、、こんなにあちこち身体が痛いのは久しぶりかも、、、。
ずいぶんな抱き方、してくれるじゃない?」

「お前が煽るの上手いからだろうが。ガキのくせしやがって」

「まあ、経験の差かな?」

ふふ、と笑って見せる雫に、自分の愛したつくしは決して重ならなかった。
顔の作りが似ていたところでそれが一体何になるだろう。
つくしは今でも自分にとっては少女のままで____目の前の雫はそれを模したただの娼婦に過ぎないのだ。

「でも、あなたにならただで抱かれてもいいって思ったから、、、まあ、別に良いわ」

「、、、ただで、、、?」

雫の言い方に引っかかりを覚えた司が問い直す。
ただで、が無料で、を意味するのなら、目の前の少女は売春かそれに近いことでもしているのだろうか。
城宮財閥の一人娘で、正統後継者である、深窓のお嬢様が?

「、、、だって、、、似てるもの。」

「誰に?」

「私に、、、。あなたと私は、似てるわ」

「、、、嬉しかねえな。
似てるって、大体どこら辺がそうだっつーんだよ」

雫はそれには答えず、少し微笑むと、

「昨日はありがとう。すごく気持ちよかった」

とだけ言ってさっさとバスルームへと向かって行った。
自分でも一体どういうつもりなのか、、、と自問はするが、やはり容貌も声もそっくりなことに変わりはなくて。
つくしと違う仕草、言動、悩ましげな笑みに、虜になりかけてる自分がいることに気付く。
どこまでも煽られて欲情して、、、それがつくしを模しただけの人形なのだとしても、今の司にとっては関係ない。
それがいかに未練がましく情けのない行為だとしても、女と共にしたベッドでうっかり眠り込んでしまうだなんて醜態をさらしたのも初めてだった。
雫の身体に溺れて、堕ちていく。
今はそれでもいいかと、頭は自分にとって最も楽な方へと引きずり込まれていった。


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