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「ガラスの林檎たち」
第一章 誰にも言えない

ガラスの林檎たち 27

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「じゃあ、、、道明寺さん、お先に失礼します。」

つくしがシャワーを浴び終わり、仕事用のスタイルへ服装を整える司に声を掛ける。

「ああ、、、送ってってやるよ、学校まで」

「いえ、、、、あなたみたいな人に車で送迎だなんて余計な誤解を与えかねませんし、今日は土曜日なので、結構です」

ニッコリと笑みを貼り付けつくしが言う。
その顔には昨夜の娼婦のように艶めかしく歪められた表情はなかった。

「それでも、、、お礼と言ったら何なんだけど、、、ヒントくらいは教えてあげられるわ」

「ヒント?」

「多分だけどね、、、『雫』のことに関してお父様が情報をブロックしているとしたら、いくら貴方と言えどもそう簡単には引き出せないと思うの。
そして私もあなたに直接教えてあげることは出来ないから、、、だから、、、、」

「だから?」

「あなたの、、、元カノさん?
あなたは要するに__私と彼女の顔が似てるかどうかとかで___私とその方が結びついているかどうかを気にしていたでしょう?
あなたが興味があるのは『城宮雫』に関する情報でも調査書でもないと、、、私はそう感じた」

あまりにもつくしの発言が的を射すぎていて___司は何を言い返そうにも言葉が音にならない。
何年も前に捨てられた女への執着をこれほどズケズケと図星を指されるのもある程度自尊心が傷ついたし、またそうした自分に気付いたことへのショックでもあった。

「あなたはそのことに、、、きっとどこかで気付いているけど、、、彼女の現在を確かめる勇気がないだけでしょう?
だから問題も論点も全く無視して私を抱いたのよ。
また彼女によって傷つけられるのを恐れてね」

「、、、知った風な口利いてんじゃねえよ。お前に何が___」

「何でもわかるわ」

昨夜の既視感。
彼女は静かに言葉を繰り返す。

「何でもわかる。」

「知った風な口利くなっつってんだろ!」

言った瞬間司の頬が僅かに紅潮する。
その口調がいかに子供っぽいものかを思い知らされたような気になった。
カッと目の前が赤くなって、息苦しさすら覚えた。

「だって、知ってるから。
あなたにとてもそっくりな男性」

「、、、は?」

「あなたは私にも似てるけど、、、その人にもとても似てる。
でも不思議に、私とその人は多分ほんの少しも似てないのよね」

「、、、誰だよ。、、、お前の男?」

ちょっとかぶりを振って、つくしが答える。

「違うけど、、、でも私にとっては、世界で一番大好きな人」

「世界で一番、なあ」

嘲笑するような笑みを貼り付け司が言う。
いかにもまだ幼い高校生の言うことで、取るに足らない戯れ言だ。
自分より4つ下の、女性というにはまだ幼すぎる少女なのだ。
そう思うと先ほど傷つけられた自尊心など、急にちっぽけなものに感じられた。
こんな風に自分につらつら説教じみた言い方が出来るのもまだほんのガキだからなのだ。

「、、、とにかく、本当に元カノさんについて知りたいとおもうならそうすればいい。
私の身の回りを調べても多分無駄だもの。
『城宮雫』というワードを使う以上は、、、どうしてもあなたの思うとおりに事は進まないわ」

ここでつくしは司の胸元に手を当てて、背伸びをし、そのまま彼にキスをした。
今までのやり取りなど全く無視の、悪戯っぽい笑みで。

「じゃあね。また、、、彼女としたくなったら、いつでもどうぞ」












「あ、、、いたた、、、頭痛いわ、、、」

時計を見ればPM8:00。
司と別れ、メープルを後にしてから半日近くの時間眠り込んでしまった計算になる。

「もう、、、なんなのよ、、、誰なの?道明寺司って。
やっぱりこの前の『牧野』は聞き間違えじゃなかった___あ、イタタ」

昨夜抱かれた際、彼は半ば囈言のように『牧野』と繰り返し続けた。
牧野、牧野、と自分の顔を見つつも、どこか遠くを見つめる司が、恵を求めながらも、実際に彼女にそうは出来ない貴之を連想させた。
頭痛を覚える頭を抑えつつ、ベッドサイドから鎮痛剤を取り出し、そばにあったミネラルウォーターで流し込む。

「、、、あの人の言ってる元カノが私だとしたら、、、あ~でも、辻褄が合うこともあるのかしら、、、、。
あのネックレスも、分不相応な英徳の制服も、、、。」

ふわ、とまだ覚醒しきれていない脳とともに、再びシャワーを浴びようとベッドから起き上がる。
面倒なことはまた後で考えよう、ととりあえずはバスルームへ向かった。


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名無し様(*^_^*)

光栄なコメントありがとうございます。
今はちょっと やさしくするよりキスをして の構想に悩み中で本編に逃げちゃってて申し訳ないですm(_ _)m笑
もう少しだけ本編進めたら、中編の方に戻ろうかなあと考え中。
いずれにせよ今月中には絶対に完結を目指して頑張ります!!!
メッセージありがとうございます^^

shouko様(*^_^*)

毎回コメントほんとにありがとうございます^^
思い出して、、、は現時点来てないですねえ。
ただ今回の貴之の帰国が大きな転機になるのかなあ。
ネックレス、、、いつになったら彼に発見されるのでしょうね。それもたのしみです(笑)
早くつかつく書きたい~!と思いつつも、とりあえず更新頑張ります^^
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