「ガラスの林檎たち」
第二章 わたしを離さないで

ガラスの林檎たち 30

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「え~これ、パーマじゃないの?天パなの?」

「見てわかんねえの?」

「いや、わかんないでしょ。変な感触~。」

「くすぐってえ、、、あんま撫で回すなよ」

「こんな綺麗な天パあるんだね。ちょっと羨ましいかも」

初めて肌を重ねた日から何ヶ月か。
メープルホテルの一室に生まれた姿のままじゃれ合う男女の姿。
司の天然パーマに興味津々、上から覆い被さるように頭を撫でるつくしの胸がちょうど司の目線に来ていて彼の方は気もそぞろだった。

「なあ、誘ってんの?」

「んー?」

目線の置き所も定まらず、顔を少し赤らめる司に、つくしもわずかに悪戯心が芽生える。
そのまままっすぐ司に目線を合わせると、

「、、、誘ってほしいの?」

と軽くキスを落とす。

「こっち?」

彼の下部を撫でると、ピクリと顔をしかめた。
相変わらず童貞君ぽくてかわいいんだから、とつくしは心の中で呟く。

「もうこんななの?」

「、、、るせえ」

「、、、ねえ、さっき出したばっかなのにおっきくなってるのは、なんで?」

くすくすつくしが意地悪そうに含み笑いをする。

「お前が好きだから。」

「、、、ふふ、よくできました。」

このやり取りはもはや二人の暗黙の了解だ。
事実、司はもう『牧野つくし』がどうこうというよりも、ただ本能のままに雫を感じて、その肢体の虜になっていた。
あれほど執着して、雫を牧野つくしと重ねようと躍起になっていた彼が、いつしか情事の際につくしの名を呼ぶこともなくなって、ただただ雫に服従されることへ心地よさに似たようなモノを感じていた。
幼い子がぬいぐるみがないと眠れないのと同様に、司もまた雫に同じような想いを募らせた。
恋じゃない、愛じゃない、自分にそう言い聞かせながらも、理屈抜きで本能的に司はこの女が好きだった。
文字通り、骨抜きになっている自分を認めるのすら気持ちよかった。
守られていることの心地よさを、、、なぜかこの女にだけは感じてしまう。

「、、、もう一回しようぜ」

「え~どうしようかなあ」

「んだよ、煽るだけ煽っといて。無理矢理やっちまおうか?」

「司君のくせに、生意気。」

ムニっとつくしが司の頬をつまんで、冗談めかして言う司をかわいく睨め付ける。

___それすらも計算済みだときっとわかってるというのに、男って言うのはどいつもこいつも馬鹿なんだから。
たった一人の例外を抜かして、だけど。
貴之の姿をチラリと思い浮かべると、自然と恵と今どうしてるだろうかと頭がよぎり、少し面白くない気持ちになった。

「じゃあバスルームでしよっか?あちこち無理するから身体ベトベトだし。責任取って全部洗って。」

払拭するようにそう言うと、なぜか司は不機嫌顔だ。

「なによ、その顔」

「お前さ、今他のこと考えてただろ」

「他の事って?」

「他の、、、男のこととか」

露骨に嫉妬してる自覚のある司の声は、気のせいか遠慮がちに聞こえる。
普段俺様な彼のこういうギャップはつくしのすごく好きなところでもあった。
なんというか、、、犬みたいで。
うっかり本人の前で言ったら、ちょっとショック受けてたみたいで可哀想だからもう言わないけど。

「考えてたけど、それが何?」

「開き直ってんじゃねえよ、このくそビッチが」

「ん~?なにか言ったの司君、聞こえないんだけど」

ふにふに弄んでた右頬を思い切りつねってやると若干涙目になった司が多少の抵抗をする。

「ってえ、やめろ雫」

「だから聞こえないって~」

「わかった!わかったって。俺が悪かった。離せよ、いってえな。」

「涙目になっちゃって~。かわいいんだから」

笑って司の眼を擦ろうとするつくしの腕を取って、

「そろそろ俺だけに、絞れねえ?」

「、、、なにが?」

「だから、男とのそういう、、、関係だよ。俺、お前が帰ってからあいつにもヤられてるって思うとマジ、気が狂いそうになる」


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