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「ガラスの林檎たち」
第二章 わたしを離さないで

ガラスの林檎たち 45

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本日二回更新です♪
44話読み飛ばしのないようにお願いします♪

















それからほんの何日かのうちに、城宮家の養女として貴之たちに引き取られた。
引き取られてから、驚くことはたくさんあったけど、やっぱりどこからどこまでが敷地内なのかわからない豪邸とその使用人の数に、まずは驚かされた。
すごい、超金持ちなんだ。
そんなありきたりな感想しか抱けないほど面食らって、少し気後れしてしまったのを覚えている。
普通の生活なんかしたことはなかったけど、この家が一般的な『普通』の基準より大分高いランクに位置していることだけは容易にわかった。
一般庶民というか、それよりもずっと底辺を彷徨っていた私にとって、全て物語の中にいるような感覚すら覚えた。
私は騙されてるんじゃないかと思うくらい、普通では考えられない生活様式を備えた重厚な造りの屋敷は。







「、、、これ、、、」

貴之の書斎に呼び出されて一番に目についたのは、幼い少女が全開の笑顔で映っている写真。
かわいらしいドレスに身を包んで、賞状か何かを手に幸せそのものの顔で映る、女の子。
その濁りのない目が酷く羨ましく、会ったこともないその子がやたらと疎ましく感じる。

「ああ、、、そうだよ、それが俺の娘の、城宮雫」

手に取った写真立てをパッと奪い返され、懐かしむような目をしながら貴之が言った。

「今日からは、君が雫になるんだ。君が、城宮雫になる。
城宮雫という名で生活して、城宮雫という名で死ぬ、ということだ。
俺の言ってる意味、わかるか?」

「、、、わかんない」

目の前にいる男の言ってる意味がやはりよくわからない。
薄々感づいているところもあるけれど、この話がわからないのは私の頭が悪いからだろうか?
この話が理解出来ないと、私はまた捨てられるのだろうか?
それは嫌。
それだけは嫌。
この人にだけは、絶対に捨てられたくない。

「わかん、ないよ」

視線を横に移すともう1枚、さっきのと同じ女の子が映っている写真を見つけた。
中学生の時のものだろうか。
まだ幼さを残しながらも、真新しい制服姿の彼女がやはり幸せそうな笑顔でピースサイン。

「同じ、子なの?」

「ああ、それも雫。うちに残ってる写真はその2枚しかないから」

「、、、、、死んじゃったの?」

ストレートなつくしの物言いは想定内だったのか、特に動揺も見せずに貴之が答える。

「ん、、、ちょうど今日で、半年、かな。娘が亡くなってから」

「、、、あの、、、貴之、、、さんは、、、私に、、、その、、、、この子になれって、言ってるの?
つまり、、、私が、この子___この子の身代わりになるって、こと?」

「ま、ありていに言えばそういうこと。
君にとっちゃ下らない茶番かもしれないけど、あいつ、、、、恵の前でだけは口裏を合わせて欲しい。
それから、俺の事はお父様。
恵のことはお母様と呼びなさい。
それだけ守れてれば、まあ、基本的には大丈夫」

「おとう、さま?」

「、、、そう。それでいい」

「でも、、、どうして?」

「、、、何が、どうして?」

再び視線を写真立てに戻す。

「私とこの子、、、雫は、全然似てないのに。
どうして私なの?
他にもたくさん探したら居るよ?この子に似てる子。
私じゃなくて、他にたくさん」

「さあ。俺もなんで君なのかはよくわからない。
決めたのは恵だし、俺も君が特に雫に似てるとは思わないよ。
雫の方が、、、そうだな、もう少し賢そうな顔をしてたな」

頬を触られて、覗き込まれると、ふれられたところから体温があつくなっていくのを感じる。
今まで誰かに対して、こんな何でも無い行為で過剰に反応したことなど無い。
今の自分は耳まで赤くなっているのが、鏡を見なくてもわかった。

「いや、でも、言われてみれば確かに、少し似てるか。
鼻の形とか、輪郭とか?」

「本当、、、?」

「、、、本当」

そのとき彼を見つめる私の瞳は欲情にまみれていたのかもしれない。
それだけ、私は彼が欲しかった。
すぐさま彼の事が欲しくて、どうにかなってしまいそうだった。
キスして。
だきしめて。
、、、抱いて。
今まで何人の男と行為してきたかわからないくらいには経験があるはずなのに、何故かそのどれ一つとして発せなかった。
みっともないくらいにドキドキ心臓はバクついて。
目眩すらしてきたみたい。
彼を見つめていると、彼に触れられると。
それだけで涙が出そうになる。
こんな想い、知らなかった。
自分の人生で、こんな感情が訪れるなんて思っても見なかった。
彼が、欲しいと心から思った。
欲しくて欲しくてたまらない。
でも、それはきっと、彼が自分には一生手の届くことのない存在だという予感があったからだ、とも思う。
私は一生彼を手に入れられないだろうと。
漠然とした予感めいたものがあったから。








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asuhana様♡

2話更新喜んでくださって何よりです♡
つかつくへのメドが立ってきた今日このごろ。
更新への意欲も湧いてきたので城宮一家のところは早く終わらせちゃいたいです(笑)
月曜日もよろしくです♪

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さとぴょん様(*^_^*)

> いよ様の書かれる貴之に、かなりググッときてます。
 お前は亜門がいいんじゃなかったんかいな?と突っ込まれそうですが(笑)

あら~。
嬉しいコメントなので引用させてもらいます笑
実はさとぴょん様が亜門×つくしが終わって燃え尽き症候群になっているのではないか、と心配していたところだったのです。
貴之×つくしを受け入れて下さるとは、、、!
心の広さに脱帽。
さとぴょん様のコメントに救われてます。

私もおじさま好きなんで貴之はかなり気に入ってるキャラです。
40ちょっとはおじさんっていっちゃダメかな?
そうかんがえるとつくしが18で出会ったときに彼の年齢はまだ30代の後半だったわけで、普通にカップルとしては成り立ちますね。
そもそも恵が雫を産んだのも17か18なので、この城宮夫婦、つくしくらいの子どもがいるにしてはかなり若い夫婦。
今まであまり意識しなかったけど。笑
はあ、、、貴之×恵の妄想ばかりしちゃいます。
この二人の話書いてみたさあるなあ。

次の次くらいでつくしは抱かれちゃいますね。
でもまたしてもRの壁!Rは書くのが本当に大変!お手本になるような小説を調べてからじゃないとまったく官能的な文章が思い浮かばないんですよねえ。
自分自身の経験値の低さが問題なのかな。あは。
文章がギャグみたいになっちゃわないように、えろくね、えろく。
って意識して書いてます。笑
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