FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←only today 前編 →奇跡は間に合わない 1
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 短編
もくじ  3kaku_s_L.png 中編
総もくじ  3kaku_s_L.png ガラスの林檎たち
総もくじ  3kaku_s_L.png お題シリーズ
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 更新のお知らせ
  • 【only today 前編】へ
  • 【奇跡は間に合わない 1】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「愛さずにはいられない」
番外編~愛さずにはいられない~

only today 後編

 ←only today 前編 →奇跡は間に合わない 1






ふざけるな、と。
類の声と共に空気が擦れるような音がした。
ああ、彼は、類は、司を殴るつもりなのだ。
どこか冷静に考える第三者の自分が居て呆れてしまう。
それでも___自分のために、、、自分のためにというのはおこがましいけれど、自分たちの歪んだ関係のために、彼自身の手を傷つけようとしている。
ダメ。
そんなの、絶対にダメ。
そんな、、、そんな価値ないよ。
花沢類が手を汚す価値なんてない。
こんなの、わかってるよ。
おかしいってわかってるよ。
わかってるから、、、お願い、、、そんなことしないで。
お願い。
早く、声出て。
止めなきゃ。
やめてって、言わなきゃ。

「ひっ、、、ひっ、、、はっ、、、ぁ、、、あ、、、はっ、、、や、、、めて、、、ひっく、、、花沢類、、、やっ、、、め、、、ハッ、、ぁ、、、」

なんとか力の限り司の拘束から逃れようと絞り出した声は息苦しさの不愉快な呼吸と嗚咽が混じって、、、まともに声にならなかった。
それでも、自分がアクションを起こした声で類が振り上げた拳をすんでのところで降ろしたのはわかった。
彼が、、、相応にショックを受けたのも、、、同時に感じてしまったが。
彼は傷ついただろう。
傷ついたはずだ。
敏感になっている神経は見て見ぬ振りしたい彼の気持ちすらストレートに自分に入り込んだ。
やめて、と。
その矛先が蛮行を繰り広げている司に対してだけでなく、自分に向かったことに、彼は確実に心を痛めた。
自分は最低だ、なんて、もう司という存在を身体で繋ぎ止めた瞬間からわかっていた。
なんて汚くて打算的な女の姿、、、。
身体だけでも、、、それが結果として自分自身の心を痛めるだけでなく、類まで傷つけてしまうことになるなんて思いも寄らなかったから。

「ぅ、、ぇ、、、げほっ、、はっ、、、ぁ、、、ぁ、、、ひっ、、、ひっく、、、、くぅ、、、るぃ、、、の、、、、はっ、、、手、、、が、、、痛くなる、、、はっ、、、だ、、、ぅ、、、ひっく、、、から、、、は、、、やく、、いって、、、!み、、、みないで、、、、おねが、、、で、、、はっ、、、ひっ、ひっ、、ふ、、、くっ、、、出てって、、、、」

「、、、、、まき__」

「お、、、おねがい、、、おねがい、、おねがい、、、、はっ、、、はっ、、、はっ、、ぁぁ、、、、ぅえ、も、、、みな、、、ぃ、、、で、、ぅ、、、ぁ、、、はっ、、、、はっ、、、で、でて、、、って、、、はっ、はっ、、ぁ、、、」

キチガイのように首を横に降り続けて、何とか司の腕から身を捩るのを繰り返し、やっぱりどうにもならない現実とその悔しさに、また涙がポロポロ零れてくる。
惨めで哀れな女。
彼に人間扱いされていないことなんてとっくにわかっていた。
もう彼女じゃないのだから、それでもいいと望んだのは自分なのだから、諦めていたはずなのに。
恋人でないのだから、デートしてくれなくたっていい。
ことあるごとにくれていたプレゼントなんぞ彼の頭の片隅に一切なくたって構わない。
セックスのためだけに会って、彼が満足したら自分は帰る。
それだけの関係でいい。
そう思っていたのに。
記憶を失う前の彼がどんなに自分に甘く、優しく、そしてどんなに自分の意思を尊重してくれていたか、なんて。
思い返しても仕方のないことだ。
だから、、、これは自分が望み、そして彼が受け入れてくれたことなのだからこれでいいと思っていた。
それなのに、、、それなのに、、、こんなに惨めな仕打ちを、、、知っている人の前で、よりにもよって花沢類の前で。
こんな扱いを受けるなんて思っても見なかったからこそそう思えたのだと思った。
再びカタンと音がして、ああ、出て行ってくれたのだ、とホッとした自分もいて、更に自分を嫌悪する。
自分が辱められ、こんな仕打ちを受けるだけならまだしも、、、類にまで恥をかかせてしまった。
最低だ。
この歪んだ関係を始めた汚らしい女であるばかりか、司の不興を買わないことを優先して、類に恥をかかせた、、、打算的で最低の女。
まさに自分の事だ。

「、、、どうだよ、楽しめたか?」

拘束が緩くなって解かれ、司を見上げる余裕が出来たところに、からかうような調子で彼がつくしを揶揄した。

「、、、、なんで、、、わざ、、、と、、、、ひ、、、どい、、、よ、、、」

「いいじゃん。たまには刺激になっただろ?
お前もけっこう興奮してたくせによ」

____あ、、、れ、、、、おか、、、おかしい、、、

「たまにはこんくらいの余興がねえと、、、マンネリになんだろ?折角お前の身体すげえ気持ちいいんだから、俺も飽きたくねえんだよ」

「も、、、や、、、、、はっ、、、はっ、、、はっ、、、ぁ、、、ぅぐ、、、げほっ、、げほっ、、、くるし、、、いき、、、いき、、、が、、、はっ、、、はっ、、、ぁ、、、」

拘束はとっくに解かれているはずなのに、呼吸が上手くできない。
胸を圧迫されている先ほどの感覚が今だ続き、、、まともに息をすることが出来ない。

____やだ、、、なんで?どうして、、、、と、、、とまって、、、は、、、はやくもと、もとどおり、、、

「ぅ、、、く、、、、、くるし、、、はぁ、、、、はぁ、、、ぁ、、、あ、、、あ、、、、はっ、はっ、はっ、、、げほげほっ、、、ぃ、、、よ、、、げ、、、ぅえ」

酸欠の脳が割れそうに痛む。
それに伴って、意識がフェードアウトしていく感覚。
涙が頬を伝う温かさだけがクリアになっていき、、、自分は意識を手放していた。












最悪。
つーか、最低。
んなことはわかってる。
ホントは、、、、こんなに乱暴な仕打ちをする必要はなかった。
するつもりもなかった。
気を失ってぐったり自分に寄りかかるつくしを見ていると、胸が痛んだ。
乱れた衣服を整えてやると、、、と言ってもほとんど着衣のままだったからそんなに苦労もしなかったが、昨日自分が怒りにまかせて殴りつけたときに出来た肩の痣がチラリと見えて、途端に罪悪感に蝕まれる。
殴るつもりじゃなかった。
乱暴にしたいわけじゃなかった。
昨日だって、約束してたのに中々うち来ねえし、探してみれば類と二人で非常階段なんかにいやがって。
別にどうでもいい。
こいつがどこで何してようが、誰と喋ってようが、全てコイツの勝手のはずで、どうでもいいはずで。
それなのに、何話してたんだよ、って俺の質問に言葉をつまらせたから。
機嫌を伺うような顔色になったから。
何もかもイライラして、さっさとやっちまえばこんなムカツキも払拭されるはずだと乱暴に剥き出しにした裸体にすら苛ついたのだから、重傷だった。
そういやあ、、、と。
昔は類の女だったんだよな、と。
類ともこういうことしたのかよ、俺にしてるときみたいに喘いで、痴態を見せて、、、そんなことを考えてたら苛つきは増して、どうしようもなくて、、、全てをぶつけてしまっていた。
ただの所有物なんかに、こんな感情を持つ自分の方がおかしいのだと呆れもしたが、それでも止まらなかった。
欲望が満たされていくにつれ、反比例して脱力していくあいつを見てると、更に胸が痛んだ。
結局空が明るみ始め、気を失うまで交接は続き、複雑な感情が入り交じりながらも最後は優しく抱きしめた。
慰めるかのように、、、そうでもしないと、罪悪感に押しつぶされそうでたまらなくなって、だけど類のことを考えるとやっぱり苛つきは収まりきらなくて。
俺としながら、類とも関係は続いてんじゃねえか、とか。
類にもいい顔して、俺にも取り入ろうなんて、舐めた女だから気に入らないだけ、とか。
苛つく材料はそこらへんに転がっていて、どうしても抑制が利かなかった。

___何やってんだか、俺は。こんな女にマジになって、バカじゃねえの。

そう思うけど、目覚めたときの彼女の反応が恐ろしいのは事実だった。
目覚めて、怯えた目をされたら。非難するような目をされたら。
また自分は暴力を振るい、脅かし、そして最終的には彼女に言うことを聞かせるだろう。
そうしてる最中ならまだしも、事後に襲ってくる罪悪感は耐え難いものがあるにも関わらず、、、繰り返してしまう。

「、、、ぅん」

ピクリと彼女の身体が反応し、そろりと目を開ける様子が見て取れた。
そのまま視線を上げて、でかい目に見つめられて。
何を言われるか、怯えられるか、泣かれるか、、気付けば、彼女の一挙一動にビクついている自分が居た。

「、、、、あれ、、、いま、、、、ん?」

「ちょうど一時間」

「、、、え?いち、、、?」

「気ぃ失ってからの時間だよ。いつまで経っても起きねえから死んでんのかと思った」

まだ寝ぼけたままのつくしの目がゆっくり開かれていく。
それにならい彼女の右手も動いて、、、司の頬を軽く摩った。

「、、、、、あ、、、あのね、、、、」

「、、、なんだよ」

「あ、、、ご、、、ごめん、ね?」

「、、、なにが」

「あ、、、だって、、、怒ってたでしょ?司。
あの、、、昨日あたしが、、、その、、、司と会う前に、、、別の人__花沢類と会ってたりしたから、、、怒るの、当然だと思う。
、、、ごめん」

「別にそのことじゃねえよ。お前が誰と会ってようがどうだっていいって、言ったばっかだろうが。
お前なんか、、、お前が何してようが俺には関係ねえし」

「、、、、ん、、、そだね」

司の言葉に、また一筋つくしの目から涙がこぼれた。
誤魔化すように笑って、つくしが続ける。

「でも、、、ごめんね」

___ああ、、まただ。

「ほんとに、、、ごめん」

___、、、なんでお前が謝んだよ。感情にまかせて殴りつけても、乱暴な情交を繰り返しても、どうしていつも俺を許せんだよ。なんで最後には笑って、ごめんねって言って、、、そして俺を慰めようとすんだよ。理解出来ねえよ。お前が何考えてんのか、全然わかんねえよ。

「だから、、、そんな顔しないで」

「、、、どんな顔してるっつうの?」

それには答えずに、つくしがまた、泣き笑いの顔になる。

「あたしは、、、平気だから。大丈夫。
女の子って、弱そうに見えるけど、結構頑丈なんだよ?」

ああ、とたまらなくなって、彼女を抱きしめた。
沸き上がってきた罪悪感に潰されそうになって、彼女を慰めようと思った。

「、、、もう、あんなことしねえよ」

「、、、ん」

「ピルも用意させっから」

「、、、え?」

「アフターピル。中出ししちまったし、、、妊娠しちゃマズイだろ?後で用意させとくから、ウチ来たら飲んどいて」

また一粒、涙がこぼれ落ちそうになる。
抱きしめて背中を摩る彼の手は、あたたかかった。
優しかった。
何よりも、誰よりも。
これが、彼なりのごめんなさいなのだと。
こんな瞬間があるからこそ諦めきれないのだと、、、痛感して、胸の奥が熱くなった。

「、、、わかった、後で飲んでおくね」



















___今日だけだから。

この魔法のような言葉を、何度心で唱えたことだろう。
今日だけ。今日だけでいい。
最後に今日だけ、私の傍にいてくれればいい。
ただ、いてくれればいいから。
私の一番すぐそばに。
私を愛してくれていた頃と、何も変わらずに。
何度目の『今日だけ』だろうかと自分に呆れもしたが。
自分を愛してくれた『道明寺』を想い続けて、今の彼にしがみついて。
勝手だと思うよね。
自分勝手であさましい女だと、、、自分でも思うけれど。
それでも、、、2人は今日だけ。
2人の関係は今日だけだとずるずる想い続けて、、、それでも色あせない思いがあるのだと知り、絶望して。
最後に今日だけ、愚かな愛に付き合って、と願わずにはいられない。

そう、最後だから。
最後に今日だけ、愚かな愛に付き合って。
夕日が、隠れるまで。





にほんブログ村 二次小説





関連記事
スポンサーサイト


総もくじ 3kaku_s_L.png ガラスの林檎たち
総もくじ 3kaku_s_L.png お題シリーズ
もくじ  3kaku_s_L.png 短編
もくじ  3kaku_s_L.png 中編
総もくじ  3kaku_s_L.png ガラスの林檎たち
総もくじ  3kaku_s_L.png お題シリーズ
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 更新のお知らせ
  • 【only today 前編】へ
  • 【奇跡は間に合わない 1】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

さとぴょん様♡

only today というタイトルを読み取ってくださって、とても嬉しいです!
そうなんですよね、ボロボロになってた彼女は「今日だけ、今日だけだから。最後に今日だけ、愚かな愛に付き合って」とその思いだけでここまで来たんですよね。
司も一応は罪の意識の欠片みたいなものが。
それでも、この彼をぶん殴って更生させるべき人間が、つくしちゃんが、このカレそのものを肯定してしまったからこそ起きた悲劇とも言えるんですよね。
賛否両論あるかと思いますが、つくしちゃんが1%も悪くなかったか?と問われれば彼女にもやはり問題は会ったのだと、私は思います。
もちろん99%は道明寺司が悪いのですが。笑

毎回コメントしてくださって、ほんとに嬉しいです!
さとぴょん様のコメント読み返してたら幸せになれます。
いつもありがとうございます(∩´∀`∩)
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【only today 前編】へ
  • 【奇跡は間に合わない 1】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。