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「ガラスの林檎たち」
第三章 愛もお金で買えますか?

ガラスの林檎たち 57

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「司くん、お待ち遠~」

背中から抱きしめられた体温と押しつけられた柔らかな感触。
駅に着くなりトイレに行ってくるね、とそのまま15分ほど戻らなかった彼女の、ようやくの登場だ。

「ごめんね~思ったより時間かかっちゃった」

絶対にごめんねとはまず間違いなく思っていないであろうつくしではあるが、非難するよりも先に可愛く彼女に腕を絡められれば、もうそこからは何も言えなくなる。
先ほどの不機嫌モードも治ったようで、上目遣いで笑いかける彼女のなんと可愛らしいことか。
彼女以外の人間に絶対的権力を持っている自分が、彼女、、たとえ城宮財閥の社長令嬢だとしてもハタから見ればただの女子高生。
そんな彼女にゾッコン骨抜きになってる様を社内の人間に見られたらと思うとたまにゾッとする。
ゴシップ好きの三流記事には一度制服姿の雫と写真を撮られて、ロリコンだのなんだのと散々叩かれた。
社交界の噂好きの女共の間であっという間に拡散され、あろうことかつくしにまで「やだ司くんロリコンだったの?気持ち悪い」と罵られた日には唖然とした。
どう考えてもお前のせいだと思ったが、1言えば10で返ってくる彼女に反論など出来やしない。
、、と。
まあ、思い返せば彼女に関しては基本的に情けない思い出しか蘇ってこない。
わがままできまぐれで自己中心的で。
世間一般の『嫌なお嬢様』を地でいってるようなヤツだけど、どうしてだか愛してしまう。
高校の時からの習慣のようなものであり、もっと強固なものだとも思う。
見た目は少し可愛いだけの、まあ普通の女なのにな。
抜群にスタイルがいいわけでも、容姿が整っているわけでもない。
それでも彼女を愛してしまうのだから、この感情は病的な何かなのかもしれない。
そうも本気で思う。

「でね、司君、これ買ってきたの」

「ん?」

「東京のガイドブック。これさえあれば困らないでしょ?」

得意げだがいつもよりも数段楽しそうにしているつくしには肯定するしかないことを自分は知っている。
わがままでも自己中でも。
その笑顔さえ自分に向けてくれれば、どんなことだってなんだって自分は赦せてしまう。
彼女の方もそれをわかっての誘惑なのだから、男は基本バカな生き物だと思う。

「、、雫」

「なに?」

パラパラとガイドブックを捲っては楽しそうに眺めるつくしがあまりにも可愛くて。

「、、んな可愛い顔すんな」

「、、へぇ?」

「周りのヤツらがお前に惚れたらどうすんだ。今すぐいつもみたいなすました顔に戻せ」

「司君、、普段の私にそんなイメージ持ってたんだ」

つくしがジトっと目を細めれば、司が機嫌を損ねたかと弁明しようとする、、が。

「あは、司君たまに面白いこと言うよねえ。
今どき少女漫画でも聞かないよ、そんな台詞。
あ、でも司君くらいイケメンだったら全然許されるね」

「笑ってんなよ、俺は真剣に__」

「だから、ナイナイ。
私のことを一目で気に入っちゃうほど好きになってくれる人なんて、司君くらいのもんだよ?
ナンパとかやり目は別として。
そんな魅力的な子じゃないでしょ?私」

__司君は牧野つくしへのアドバンテージがあるから、、だから、、だから城宮雫を気に入ったし、半ば崇拝している、だけでしょ?
混ぜっ返そうと思った一言は、どうにもプライドが邪魔して実際に音として発することは出来なかった。
プライド?と考えて、今日の自分は本当に可笑しいと笑ってしまいそうになる。
売りをやっていたような女が、プライド。
義理の父親にセフレのような扱いを受けている自分がプライド。
なんて安っぽいプライドだろう。
かつて目の前のこの人__道明寺司が惚れていたような牧野つくしは、きっと自分よりも高尚で真っ直ぐな人間だったのだろう。
過去の自分に嫉妬するなんておかしな話だけど。
それでも今の自分は醜くて、司君に愛されていた過去の自分が手の届かない程眩しくて遠い存在に思える。
売りなんかやってなくて。
誰もが羨む最高の恋人がいて。
さぞかし大層なプライドを持っていただろう、過去の自分が。
あまりにも眩しくそれでいて遠い。

「俺が惚れてる女が魅力的じゃないわけねえだろ」

ふてくされたように反論する司君がおかしい。
それでも、理解は出来るのだ。
人は自分より大切な誰かのためにはいつだっておかしくなる生き物だから。
司君がつくしに対するように。
私がお父様に対するように。

「はいはい、そういうことにしておいてあげる。
、、人前では気をつけます」

で、ニコっとしとけば大人しくなるのは司君のトリセツ通り。






「司君、ここじょうこう、、じょうこうろ?だって。ここの煙をかけたら悪いところが治るらしいよ?」

ガイドブックを頼りに浅草を観光して小一時間。
通りで買い物に付き合わされるわインスタ?だとか言うSNSの写真は撮らされるわ。
デートというよりは荷物持ち兼カメラマンのような扱いの自分だったが、時々見れる彼女の年相応の笑顔を独り占め出来ていると考えればそう悪いものでもない。
頭が少しでもよくならないかと両手をパタパタさせているつくしが悶絶級に可愛らしいのだから仕方がない。
雑な扱いのお返しだとスマホのカメラで彼女を撮れば、「不意打ち絶対盛れてないから消してよ~」とブスくれる。
無邪気に手をパタパタさせるつくしと、カメラに気付いて眉を上げたつくし。
二枚とも絶妙なカメラワーク。
つくしがどんなに苦言を呈してもこの写真だけは消すまいとカメラフォルダに即保存した。

「司君ってホント、、まあいいけどさ。可愛くなかったら消してよね」

「俺がお前を可愛くないと思うことがあると思うのかよ」

「、、ないね。うんごめん、ありがとう」

「つか、お前ガッコでの成績はいいんじゃねえの。なんで頭?」

「ん~。良いって言っても成績上位ってだけで、英語が足引っ張っちゃって、雫ほどの成績が取れたことないしね?お父様の期待に、答えたいから」



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