「ガラスの林檎たち」
第三章 愛もお金で買えますか?

ガラスの林檎たち 58

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「お父様は、頭の悪い子は嫌いだもの。だから誰よりも勉強して__」

__雫ちゃんがこんな成績を取るなんて考えられないわ。ママ、ショックで卒倒しそうよ
__下品な食べ方、頭の悪い子。雫ちゃんはそんな子じゃなかったはずよ。あなたは誰なの?嫌いよ、あなたみたいな子。
__あなたって本当に頭が悪いのね、雫ちゃん?貴之さん__あなたのお父様に取り入ることしか考えていない、頭が弱い子って大嫌い。出て行ってよ。

「だって勉強してれば、お父様は褒めてくれるし、お母様は、、そうね、娘扱いしてくれる。お母様は私のことを雫だと思い込める。そうでなきゃ、、そうじゃなきゃ私はあのウチではやっていけないもの」

__ねえ貴之さん聞いて。雫ちゃんの全国模試の成績がすごくよかったの。都内で一番偏差値が良い私立もB判定ですって。担任の先生がこのまま行けば合格間違いなしって仰って下さったの。
おめでとう雫ちゃん。ママ、鼻が高いわ。
__雫ちゃん、最近所作がすごくキレイだって、マナーの先生が褒めてらしたわ。それでね、ママからのプレゼント。本当は高校入学のお祝いであげるつもりだったのだけど、遅くなっちゃって。お財布とショルダーなんだけど。普段使い出来るものの方がいいと思って、、。気に入ってくれたかしら。
__雫ちゃん。あなたは本当にイイ子ね。お父様もあなたのことが大好きなのよ。私も頭が良くて可愛い雫ちゃんが、大好きよ。

恵の中の『こうであるべき』雫通りに生きていれば、恵は自分を、、娘扱いはしてくれた。
勉強を頑張れば、成績を上げれば、社交界で上手く立ち回れば。
お母様の気分はたちまち治って、それで私をとことん甘やかしてくれた。
正直大嫌いな義理の母親に甘やかされたところで鬱陶しいところではあるが、それでも、、恵が喜べば同じだけ、いや、もっとかもしれない。
貴之も喜んでくれたのだから。
私が雫として上手く立ち回っていれば、恵の機嫌は良くなる。
恵の機嫌が良ければそれだけお父様の機嫌も良くなる。
ただそれだけの話。
雫ちゃんが、雫ちゃんは。
雫の話をするときの母親は同性の自分から見ても可愛らしくて、そして美しかった。
顔貌の造りも、どこぞの女優かと思うくらいに過分に整っていたが、恐らくはそういうことではなくて。
花のように笑ったときの笑顔が誰よりも魅力的であるとか。
子どもっぽくてそれでいて甘えたような媚びた雰囲気だとか。
可愛いく美しいのは容姿だけではない。
男ウケがいい__と言えばそれまでなのだろうか。
天然で人をたらし込むような、あのあざとさも、、つくしに恵を嫌わせるには大きな一因だった。
あからさまに媚びた喋り方なのに、いともあっさりと貴之を陥落させる、恵がとことん気に入らない。
貴之がそんな恵が可愛くてたまらない、なんて。
大好きで愛しくてどうしようもない、なんて。
そんなの一番近くで見ている自分が、一番知っている。
貴之の切なすぎる片想いを、自分だけは痛いくらいに知っている。
自分なんて必死で機嫌をとって、身体まで使って、それでようやく繋ぎ止めてる。
その程度なのに。
恵にはけしてなれない自分が悔しくて、苦しい。
義理の母親が羨ましくて仕方のない。
そんなことを思う自分が、何よりも嫌だ。

「たくさん勉強して、頑張らなきゃ。所詮偽物なんて、思われないように」

「、、まあ、お前がそうしたいんなら、それが一番なんだろ。
勉強くらいいつでも俺が見てやるから、んな気負うな」

「え~、、」

「なんだよそのあからさまな反応」

「司君さ~、、中等部も高等部も結構素行不良だったんでしょ?授業なんか一度も出てないしー卒業式すらサボった男だって聞いてるけど」

「、、誰に」

「この間のパーティーで一緒になった、、え、と、、美作さん?かな。その、、F4のお友達の?」

「あきらか、、あの野郎」

それに赤札とか高校生にしては幼稚っぽいこともやってるくらいだしね?と心の中で毒づく。
、、お父様から聞いた話じゃいじめに障害ざたに女性問題に、トラブった経験は数知れずらしいし。

「いいんだよ、俺はえいせい教育受けてっからな。チンケな授業なんかに出て学ぶこともねえっつんだよ」

「えいせい?ああ、英才教育って言いたいの?、、司くんって日本語弱い系なんだね」

「__はあ?お前やっぱりバカだな、雫。だから俺が教えてやるって」

「まあ少なくとも現代文だけは司君に教わりたくはないかなってだけの結論だわ」

「、、にしても、お前って結構なファザコンもいいとこだよなあ」

「、、ファザコンって」

「だってそうだろ?普通義理だろうとなんだろうとお前の年でいちいち親の動向気にしてるヤツってまずいないしな__それ以外の事情があるにしてもよ。
俺がすげえ気に入らない事情があるにしても、取り入る隙って、普通そこじゃねえと思うんだけどな?」

「だってそれは__」

お母様に気に入って貰えないとそもそも取り入る隙が出来ないから__と反論しようと思ったけれど長くなるだけだからもういいや、と諦める。

「もうこの話はおしまいっ。ほら花やしきいこ?ここのお化け屋敷なかなかレベル高いらしいよ?」


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とも様^^

れもん様改めとも様^^
コメントありがとうございます^^

そうですね~天然人たらしなところは恵はつくしに似ていますね。
藤堂静並のの美しさに牧野つくしの性格、家柄は三条桜子、というイメージで書いている城宮恵。
ある意味というか、最強のサブヒロインかな?

つくしも越せないラスボス

是非是非貴之と恵の今後の恋模様にもご注目して下さい。
なにげにこの2人の物語も連載したい、、けどオリキャラ同士の恋愛話になってしまうので花男二次でやるには躊躇しますね。笑
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