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「ガラスの林檎たち」
ガラスの林檎たち~番外編~

ジッパー

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本編進める時間無くてごめんなさい~のお詫びを込めての番外編でございます。
雫ちゃんに首ったけの司君が書きたくなっただけのお話です。笑
生産性はないかも、、笑
コメントの返信も遅れてしまってて申し訳ないです~明日中には返したいと思ってます(T_T)
















雫と付き合い始めてから、彼女とつくしとの間に決して重ならない部分がいくつもあるのを発見した。
ワガママだし。
気まぐれだし。
自分が呆れるくらいに自己中心的な性格だし。
良いか悪いかで言えば、彼女の性格は決して良くはない。
彼女に心底惚れてる自分がそう言うのだから、それはまず間違いない。
惚れた弱みでカバーしきれないくらいに、彼女は大分困った性格をしていると思う。
正直、かつて惚れていた_いや、今でも惚れている女に顔貌が似ているからと言って全てを許容するには彼女の性格は難が多すぎる。
思い返してみれば_デートでドタキャンされたことも数える程にはあるし、ちょっとしたことですぐ機嫌を損ねて黙り込んだり。
腹が減ったと言うから適当な店に連れて行ったのに、「ダイエット中だからやっぱいらない、司君が食べて!」と不機嫌そうに携帯を弄り始めるたこともある。
誰が金払ってると思ってんだこの女、と俺ともあろうものが顔を引きつらせまくったのは記憶に新しい。
ああ、そうそう。
この前の定期テスト期間中なんかにはカテキョに学校の補講にと詰め込まれたスケジュールによっぽど切羽詰まってたのか、八つ当たりの対象にはされるし、散々だ。
学校の勉強は出来るのかもしれねえけど、思いやりだとかそこらへんが著しく欠如してるのは間違いない。
模試の解き直しよりも道徳の勉強をやり直せ、と言ってやりたいところだが、それを言えば機嫌を損ねた彼女と大げんかになるのは目に見えているので、耐えるしかない。
自分も大概彼女には甘い。
惚れた弱みですら許容が難しい程の性格なのに、たまに見せる彼女のあどけない寝顔だとか、屈託ない笑顔だとか。
そんなの一発でもうどうにでもしてくれ、と。
唯我独尊な彼女のワガママっぷりにも耐えられるのだから不思議なもんだ。
実は俺ってマゾなんじゃねえかと疑いたくなるほどには、俺は彼女に毒されている。
司くん、と。
彼女に笑ってそう呼ばれるだけで、何でも許せるのだから。
彼女からの、ありがとう、とごめんね、の一言だけで自分が彼女に何を怒っていたか、なんてのはまったくどうでもいいことに思えてくるんだから、本当に大した毒に違いない。










「嘘でしょ!?ヤバイって、どうしよう遅れちゃうっ!」

明日は久しぶりの半日オフだから、夕方まではゆっくり過ごせると思った、日曜日。
隣でもぞもぞと動き始めたかと思えば、素っ頓狂な声を上げて驚愕している隣の恋人のせいで目が覚めた。

「司くんっ!司くんっ!どうしよ、遅れちゃいそう、、って、あ~1時間掛け間違えてるしっ!もう最悪なんだけど、、」

「、、、なにお前、今日ガッコなの?休みじゃん、日曜」

「だから~昨日も言ったでしょ?英徳と合同のESSの弁論大会!あ~ほんっとやだわ!」

言いながらバタバタと忙しそうに、洗面台へ向かった、、かと思えば俺の名前を何度も呼んで、ミルクはどこだと聞くけど。
普通に考えればバスルームよりは冷蔵庫にありそうなもんだと思うが、それだけ彼女がパニックを起こしてる証拠だ。

「あ、あった!」

なんて言いながら、シリアルを皿にぶちまけて、二口三口食えば彼女の朝食は終了。
自分も人のことは言えないが、彼女も大概身体に悪そうな食生活ではあると思う。
ラッシュで朝食を済ませたかと思えば、今度は髪にブラシをかける作業と歯磨きを同時にやってのけるのだから、器用なもんだと感心もする。
忙しそうに動き続ける彼女をぼうっと観察していたが、どうせ彼女を会場まで送っていかなければならなさそうだと思い、とりあえず準備をするかと起き上がる。
今日という一日が彼女に振り回されて始まるのも悪くはないが、たまのオフくらい俺の思い通りにならねえのかこの女は、と呆れもした。
今に始まったことではないのだが。
服を着替えて、一通り準備が整ったところで、彼女はまだパジャマのままで通学カバンをひっくり返して大騒ぎだ。

「USB見あたらないんだけどっ!え、どうしよう、待って、え~~~っっっ、司くん、どっかで見たりしてないっ?発表で使うやつなんだけど~」

「、、いや、知らねえだろ」

「ええ~~~っ、もうヤダ、絶対間に合わないじゃんっ。資料無しで発表とか超減点対象だし!行く気無くすわホント、、って、あ!そっか~~共有PCに差しっぱだ~~美香にラインにしなきゃもうっ!」

携帯から充電器を慌てて引っこ抜いて、真剣な顔でラインを送る。
、、毎度おなじみのこの朝の光景にもうさすがに呆れなくなった。
取り込み中のコイツほど自由奔放な人間もそうそういないだろう。
俺すら制止できないほど正直に自分勝手に生きている。
その様すら嫌いになれないのだから、文字通り俺はコイツに骨抜きなんだろう。
そう。
牧野と付き合っていたときにこんな風に朝を迎えたことがなかったから、牧野はどうだったか知らねえが、雫は基本的に朝に弱い。
低血圧らしく、極端に早起きが苦手だ。
自分と明け方までヤリまくった日には、特に遅刻寸前の起床が珍しくない。
何度も鳴ってるアラームにも反応を示さず、たまに反応したかと思えば、無意識のうちに時間をずらしてアラームを止めているのだから、確信犯ではないかと突っ込みたくもなる。
いつもはワガママで自己中で大人ぶりたがる彼女がたまに見せるこうした隙は、自分の好きなところの一つでもあったから、あえて自分から起こすことはなかったが。
大人ぶってる雫も、ワガママな雫も、気まぐれな雫も、全部好きには違いないが、動揺して狼狽えて自分を頼るしかない、、ダメな雫も愛しくて堪らない、、なんて、倒錯してるだろうか。
意地が悪いと自分でも思うが、いつも彼女に虐げられているんだから、このくらいは大目に見て欲しい。

「あ、ねえ、司君?」

そう、そして。
俺が何よりも好きなのは、実はこの瞬間だったりする。
焦って慌ててパニクって。
余裕のない彼女の声が少し甘えた、官能的な声になる。

「背中のジッパーちょっと下げてくれない?」

ワンピース型のパジャマは彼女のお気に入りらしいが、同時に脱ぎ着が面倒でもあるらしい。
本人が意識して言ってるか、そうじゃないかはともかく、誘惑するような甘えた声が、もしかしたら一番好きかも知れない。
朝は苦手だという彼女が一番頼りなく可愛く見える、この甘えた声が、たまらない。

「、、司君?時間ないから、発情禁止。ハイ、離れて?」

思わず抱きしめた俺に、冷静な彼女の一言。
そんな声でお願いされた日には、背中から抱きしめたくなるんだから仕方がないだろ、と言い返しそうにもなる。

「って、あ~~~~~っ!」

制服を着替え終わった雫が腕時計に目を遣りながら、パニクった声を出す。

「ヤバイ、もう出なきゃっ。司君、車出してくれる?」

「、、わかってるから、落ちつけって雫。大丈夫、間に合うから」

いざとなったらヘリでも飛ばすから、と言えば、逆に時間かかると思うけど、とケラケラ笑う雫に、再び抱きしめたくもなったが、今度こそ殴られるか、と思い直した。
そこそこ賢明な判断だとは思う、我ながら。

「司君ってば!早く早くっ!」

「ああ、今行くって」

しょうがねえな、なんて呟いてみても、全然嫌じゃない自分がいるのも事実。
確かに大人ぶった娼婦みたいなお前に惚れたのは間違いないけど、もっとリアルな、ダメダメなお前も愛しい。
彼女に言われればいつでも背中のジッパーくらい上げるし、下げてやる、と。
そう思うくらいには等身大の自由なお前を、愛しているから。




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